【FC東京 vs 甲府】 ウォーミングアップコラム:代表落選の森重真人 不言実行の男に宿った静かなる闘志

2017年5月27日(土)


日本サッカー協会は25日、6月のシリアとの親善試合(7日)と、ロシアワールドカップ アジア最終予選のイラク戦(13日)に向けて日本代表メンバーを発表した。だが、そのリストの中に、FC東京の選手の名前は一人もなかった。中でも、バヒド ハリルホジッチ監督の政権下で、不動のセンターバックを務めてきたDF森重真人(写真)の落選は驚きだった。

そのことについて森重本人は、多くを語ろうとはしなかった。落選を受けても、「しゃべるつもりはない」と、短くそう声にするだけだった。

ただ、不言実行の男は、前を向いていた――。2013年からキャプテンを務め、その重責も今年で5年目を迎える。不慣れな仕事を任せられることで、成長の種に水を与え続けてきた。14年のブラジルワールドカップに向けて当時代表不動のセンターバックだった今野泰幸(ガンバ大阪)、吉田麻也(サウサンプトン)の牙城を崩そうと、人知れず努力を続け、プレーヤーとしても一皮むけた印象だった。そして、ワールドカップ本大会以降は日本代表でも不動のレギュラーとなった。

だが、その一方で、いつの間にか知らず知らずのうちに守りに入ってしまっていたのかもしれない。激しい守備と、華麗な攻撃が同居するプレースタイルに制御を掛け、どこかでお行儀良く振る舞ってきた。ここ数年、そのプレーはどこか物足りなく映ってきたのも事実だ。

声にしないだけで、負けることが大嫌いな男だ。今回の荒療治に、燃えないわけがない。代表落選については口にしなかった森重だが、これまで殻に閉じこもってきた自分を脱ぎ捨てる覚悟を口にした。

代表発表後、初の公式戦となる28日のJ1甲府戦に向けて、「個人的にどんなことを試したい」と質問すると、こう言い切った。

「ここからは、個人的にミスを怖れずに攻撃でも守備でもチャレンジしていきたい。まずはどんどん自分たちが主体的にやってみる。みんなが意識することで変われるところもあるし、1週間と試合を重ねる中で成長していくこともある。ミスをしても、その中で何かを感じ取っていきたい。ここからはそれを楽しんでいきたい」

森重の口から「試合を楽しみたい」なんて聞いたのはいつ以来だろう。不言実行の男の荒ぶる魂に、ボッと火が点く音が聞こえた。

文:馬場康平(FC東京担当)


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5月28日(日)16:00KO 味スタ
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