【仙台 vs 湘南】 ウォーミングアップコラム:ラファエルソンは微笑む。ゴールのため、勝利のために

2018年6月8日(金)


“癒やし系FW”という言葉があるのかどうかはわからないが、もしかしたらラファエルソン(写真)はそのような存在なのかもしれない。
プレーを離れれば、いつもニコニコ。周りを和ませる笑顔の持ち主だ。しかしピッチに立てば、力強くゴールを目指すストライカーと化す。格闘家のように鍛えられた体は、生半可なタックルでは止められない。器用にボールを扱うようなタイプではないが、ボールをしっかりおさめて味方の連続攻撃を引き出すことができる。豪快に脚を振り抜くシュートも見ものだ。チームへの合流はキャンプ中の2月になってからだったが、練習試合では思いの外早く仙台の求めるFWへの適正を見せた。明治安田生命J1リーグ戦の開幕戦からベンチ入りするなど、これからが期待されていた。しかしこのラファエルソンも、最近まで表情が曇りがちな時期を過ごしていた。3月7日に行われたJリーグYBCルヴァンカップグループステージ第1節・新潟戦で仙台加入後初出場を先発というかたちで果たしていたが、負傷により71分で交代。右第五中足骨骨折により、約3ヶ月の戦戦離脱を余儀なくされた。

仙台のプレースタイルを理解してきたところでの大けがは、本人もショックだったという。もどかしい日々を乗り越えて最近の全体練習に合流したが、「まだまだこの2週間では、取り戻せていないというのが正直なところ」と本人は厳しい表情だ……しかしその次に「日々少しずつコンディションは良くなっています」と、明るい顔に戻った。

ラファエルソンの紅白戦などでのプレーを見れば、味方のパスの出るタイミングに合わせて動き出そうとしているし、ボールを持てばしっかりおさめる。しかし、その先のプレーがまだ遅い。「(ワールドカップによる公式戦の)中断期間をかけて、100%にしていきたい」と、現実的にはまだ先を見ているところだ。

それでも5日の紅白戦では味方がクロスを送ったところにしっかり走りこんで得点し、シュート練習やセットプレー練習では滞空時間が長いヘディングシュートを見せている。本人の言うとおり、公式戦出場はしばらく先なのかもしれない。しかし、ルヴァンカップのプレーオフステージ勝ち抜きのためは第2戦で4点以上が必要な仙台にあって、ゴールへの可能性を広げてくれそうな存在でもある。「もちろんFWなので、ゴールを取るためにここに来ているし、求められたら最大の力を出して、ゴールを決めたい」。ゴールを決めてその笑顔を見せてくれることがたとえ先の話であっても、この剛力FWが練習に入って味方と切磋琢磨することで、大事な一戦に望むチーム力は上がる。

周りを和ませるラファエルソンも、5月26日には和まされる側となったという。この日にユアテックスタジアム仙台で行われた“ベガルタ仙台 2018 SOCIO・FANCLUB会員感謝の集い”でサイン会をしたときのことを、「いろいろな方が励ましの言葉をかけてくれて、最初はびっくりもしたけれど、本当にありがたかった。それをモチベーションに変えて、チームのためにプレーしたい」と振り返る。

現在21歳、今大会のニューヒーロー賞の対象選手でもある。彼がいつ、どのようなときに仙台初ゴールを決めるかはわからないが、その時には最高のスマイルが見られるはずだ。

文:板垣晴朗(仙台担当)


JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフステージ第2戦
6月9日(土)15:00KO ユアスタ
ベガルタ仙台 vs 湘南ベルマーレ
ユアテックスタジアム仙台(ベガルタ仙台)
みんなの総合評価 (4.4)
臨場感 (4.6)
アクセス (4.7)
イベント充実 (3.8)
グルメ (3.8)
アウェイお楽しみ (3.6)

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