【福岡 vs 金沢】 ウォーミングアップコラム:松田力の献身。昨年味わった悔しさをバネに逆転優勝だけを見つめる

2018年10月27日(土)


例年に類を見ない大混戦のJ2リーグ。残り試合が4試合となった現在も、まだその行方は混沌としている。その波に飲み込まれた福岡は現在18勝11分9敗の5位。「J2優勝、J1昇格」に向けて厳しい状況にはあるが、それでもまだ目標達成の可能性は残されている。だれ1人として下を向いている者はいない。

そんなチームの想いを松田力(写真)は代弁する。
「勝つしかないというのがある。去年は今年とは逆で追われている立場だったので、少し余裕があって、いま振り返れば、それが油断につながってしまったのかもしれない。けれど、今年は勝つしかないし、油断もない。絶対にやらないといけないという気持ちがある。とにかく、今の自分たちは追いかけるしかない」

昨シーズン、福岡に移籍してきた松田が任されているのは左MF。だが、その役割は実に多岐にわたる。高い位置でボールを奪って、そこからのショートカウンターを攻撃の形のひとつとする福岡にあって、まず求められるのは前線でのハイプレス。激しく前からボールを追い、チームがボールを奪えば即座に「守」と「攻」を切り替えてゴール前へ。自身のゴールは6だが、松田が動き出すことで生まれるスペースを利用して生まれたゴールも多い。

そして守備。前線でのハイプレスはもとより、左サイドの守備全般も受け持つ。時にSBと協力し、時に最終ラインまで戻って対戦相手のチャンスの芽を摘み取っていく。そして、そこからさらに前へ出てハイプレスを仕掛け、ボールが出て来ようが、来まいが、ゴール前のスペースへの動き出しを繰り返す。まさに無尽蔵の運動量。献身的なプレーという言葉は松田のためにある。

そのプレーは「いい守備からのいい攻撃」を志向する今のアビスパにあって欠かすことができないものになっている。コンディション不良により欠場した第33節からの4試合でチームは7失点。守備は誰か1人でやるものではないが、松田の欠場が守備面に影響を与えていることは数字の上でも見て取れる。

さて、今シーズンは残すところは4試合。松田は逆転優勝を目指す想いを口にする。
「金沢戦は絶対に勝たないといけない。残りは4試合。勝点を全部取っても12しか取れないし、その中で首位との勝点5差をひっくり返さないといけない。引き分けはもういらない。勝つか、負けるか、そのどちらしかないというくらいの気持ちで戦う」

その言葉の根底には去年味わわされた想いがある。「悔しい思いはもうしたくない」。今シーズンが始まる前から、ことあるごとにそう口にしてきた。
「その気持ちは今年が始まった時からずっと思っていること。プレーオフはもうやりたくない。自動昇格を目指して戦う」
そのために松田はピッチの上を走る。誰よりも速く、誰よりも多く、そして誰よりも献身的に。悔しさを晴らすために「J2優勝、J1昇格」しか見ていない。

文:中倉一志(福岡担当)


明治安田生命J2リーグ 第39節
10月28日(日)14:00KO レベスタ
アビスパ福岡 vs ツエーゲン金沢

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