【名古屋 vs 仙台】闘争心の体現者、米本拓司。その覚悟が2ヵ月ぶりの勝利を引き寄せる

2019年10月18日(金)


フィッカデンティ監督の志向するサッカーは戦術ありきではない。新監督就任から1ヵ月、かつての教え子にして再びその薫陶を受けるに至った米本拓司は、新体制3戦目を迎えるにあたって“それ以前”のベースを強調する。
 
「戦術の理解の部分では間違いなく高まっていると思いますし、フィジカル的にも1週間空いたことでまた上がったと思います。なかなか時間がない中で、急ピッチで進めている難しいところはあるんですが、そこで監督が常に言っているのは『闘う気持ちだ』など、メンタルの部分。戦術どうこうよりも勝ちたいって気持ちが強い方が勝つ、と言います。そういう常々言われているところを準備できればいいし、闘うという部分を当たり前にできるように、しっかり試合でも見せたいです」
 
確かにフィッカデンティ監督は就任当初からチームのメンタリティーを回復させることを重視していたところがあった。「名古屋がどういうチームになっていかなければならないかというと、メンタル的に強いチーム。その点ではどんなチームが相手でも上回る、勝ちたいという気持ちでも相手より必ず上回るチームだ」。監督交代後最初の試合であった広島戦の前、指揮官は選手に語りかけている。1戦目よりも2戦目、そして3戦目となる今節の仙台戦においてはついに、「私が来てから1ヵ月。メンタリティーも含めた試合に対するアプローチを、チーム全体でできるようになってきた手応えを感じている」と言わしめるに至った。練習の前後でしばしば監督に話しかけられる姿を見る米本も、そうしたチームの充実を感じ取っているようだ。
 
「今やっていることはみんなが今までやってきていないこと。僕が名古屋に来た時にもそういうことはありましたし、それがすぐに理解できたり、僕のように馴染むのに時間がかかったりします。でもそれは時間が解決してくれるものでもあるので、やろうとする気持ちや理解する気持ちが大事で、みんなの練習を見ていてもそれは感じるし、監督が僕に『今日の練習は良かった』と言ってくることもありました。それを試合でも出せるかは自分たち次第で、それ以前にまず闘ったり、闘争心を出すことだったりがないとそれも活きてこないです。第一優先はまず闘うこと。それにプラスして準備してきたことをどれだけ出せるかにかかってきます」
 
勝点1差の仙台とのゲームは、残留争いという状況における“6ポイントマッチ”である。その重要性はチーム全体が感じ取っており、「負けられない戦い」「勝点3だけを狙う」という強い意志が選手たちの口を次々と突いて出る。そこで勝利の意味、勝点の価値をより具体的に意識するのが米本だ。監督交代から2戦2引き分けは悪い成績ではないが、負けていない代わりに勝ってもいない部分でどうにも歯切れが悪くなる。その空気感を彼は、「3戦目の結果で“3戦勝ちなし”になるか、“3戦負けなし”になるかというところでもある」と表現した。前者と後者の印象の違いは歴然としており、勝つことのインパクトの大きさに気づかされる。「何としても勝点3を獲りたい」。名古屋の背番号2はそのために、文字通り身体を投げ出してでもチームに尽くす覚悟を決めている。
 
仙台の武器はクロスやロングボールを使った“スクランブル”だと米本は言う。2シーズンで8得点の荒稼ぎをされている長沢駿という天敵を封じるためには、クロス対応だけでなくその出所を抑えることをチームは画策する。そのどちらの展開にも深くかかわるのが米本だ。「球際の部分で何一つ負けないように」と闘争心をたぎらせる男は、これまで通りに、いやこれまで以上にチームとサポーターの心を動かしてくれるに違いない。

文:今井雄一朗(名古屋担当)


明治安田生命J1リーグ 第29節
10月19日(土)14:00KO パロ瑞穂
名古屋グランパス vs ベガルタ仙台
パロマ瑞穂スタジアム(名古屋グランパス)
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