【横浜FM vs G大阪】開幕戦に静かに燃えるティーラトン、すべての人に感謝を込めて『コップンカー!』

2020年2月22日(土)


昨年のチャンピオン、横浜FMはリーグ開幕戦を3年ぶりとなるホーム・日産スタジアムで迎える。19年の最終節、FC東京戦で優勝を手繰り寄せる先制ゴールを決めた、ティーラトン ブンマタンは来日3年目にして、日本で自身初の開幕スタメンを確実にしている。ティーラトンはおそらく胸を躍らせているに違いない。横浜FMに加入した1年前のことを思えば……。

「正直に言って、初めてこのチームに来たときは戸惑いもありました。19年1月にオファーがあったときも、自分が本当に横浜F・マリノスでやれるんだろうかと。でも、コンディショニングコーチの人に一からフィジカルを作り直してもらいました。一対一に負けない強い体を手に入れて、そのおかげでメンタルも強くなれたと思います」

ティーラトンが初めてJ1リーグのサッカーに触れたのは、18年に1シーズンプレーしたヴィッセル神戸。その当時は「日本で一番強いのは川崎フロンターレだと思っていました。でも、違う! そうじゃない。一番強いのは横浜F・マリノスなんだと。(神戸の選手として横浜FMとは)4回対戦しましたが、ほぼ完敗でした」と、当時はアンジェ ポステコグルー監督1年目でまだアタッキング・フットボールが開花しきっていない横浜FM(18年はリーグ戦12位)が一番強いチームだ、とティーラトンは感じていたのだ。

ティーラトンのプレーを見てもらえればわかると思うが、サイドでも、中に絞った“偽サイドバック”のプレーでも、相手に囲まれてもバランスを失わずに、どんな狭いスペースでも正確なパスを通せるのが強みだ。

先日のACL第2節、シドニーFC戦の3点目でも、それを見せてくれた。ペナルティーエリア内に相手を押し込め、非常に狭く選手が密集した中でも、ティーラトンがピンポイントのスルーパスを通して、仲川輝人がゴールを決めた。
「ボクがボールを足元におさめたときは常に、どこに一番パスを受けやすい選手がいるのか、最後の最後まで見ています。テル(仲川)とは試合前から『ブンちゃん(ティーラトンの愛称)がボールをもったら俺はこう動くから』という話をしていたし、そこでテルが見えたから、そこに出しただけです」と、あくまでゴールを決めた選手を称えることを忘れない。

しかし、ティーラトンのプレーをジッと見ているとわかるだろう。足元にボールがあっても、状況を常に見ながら、簡単には出さないときもあることを。味方の動きを常に見ながら、味方を生かす。そして、時には自分が周りの選手に生かされて、ゴールも決める。昨季のホームG大阪戦での初ゴールは美しいミドルシュートだったし、前述の優勝を決めたFC東京戦でも、和田拓也の好パスを思いきり良く振り抜いた。
ティーラトンはリーグ開幕戦でのゴールも密かに狙っているだろう。ゴールを決めた瞬間に弾けるあの笑顔は何よりスタジアムを沸かせてくれるのだから。

「去年はいい形で終えることができましたけど、今年はまた新たなチャレンジが待っています。リーグでも、ACLでも、自分たちの力を信じれば必ずやり遂げられるという気持ちを、ボクだけでなくチーム全体が持っています。F・マリノスのスタイルを貫いていけば、たぶんどんな試合でも勝てるんじゃないかと思います」

ティーラトンはまた、陰となって支えてくれるチームスタッフへの感謝も忘れない。冒頭に話したコンディショニングコーチしかり、ビデオアナリストしかり。実際に名前を挙げて尽きない感謝の気持ちを口にする。

真摯に取材対応を終えた彼は、いつも必ず両手を合わせる合掌(タイの挨拶)で「アリガトウゴザイマス!(タイ語では“コップンカー”)」と微笑みを返してくれる。今シーズンも、その笑顔をたくさん見せてもらいたいと思う。

文:近藤泰秀<インサイド>(横浜FM担当)


明治安田生命J1リーグ 第1節
2月23日(日)14:00KO 日産ス
横浜F・マリノス vs ガンバ大阪
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