【秋田 vs G大23】前山恭平、葛藤を経て心身のコンディションを上げる

2020年8月21日(金)


前節のアウェイ讃岐戦。約13分と短い時間ではあったが、前山恭平が自分の持ち味を発揮した。

スコアレスで迎えた77分に、中村亮太に代わって前山がピッチに送り込まれた。秋田が再三のセットプレーのチャンスを決められず、相手も構えて守備をしている。このまま時間が過ぎていきそうな空気が漂っていた。当然、その流れを断つために前山は走った。

79分、左サイドでディフェンスラインの裏に抜け出す。江口直生からのパスを受けたときは完全にフリーの状態だった。深い位置まで移動してディフェンスラインを押し下げ、少しキープし、ゴール前の味方の人数が揃うのを見てクロスを上げた。

84分、右サイドで久富賢がボールを持ち、エンドラインに向けてドリブルを開始する。それに合わせて相手の5バックのディフェンスラインが下がり、ペナルティエリア内でボランチとの間にほんの少しのスペースが生まれる。そこに侵入したのが前山だった。クロスが来れば決定機という場面だった。

終了間際の93分には、相手の3バックの左横にあるスペースに走り込んで輪笠祐士のパスを呼び込み、タッチライン際で中央にクロスを上げた。

いずれもゴールには結びつかなかったが、相手のスペースを突く前山らしいプレーが見られた。そのことが嬉しく思えて、話を聞きたいと思った。

なぜなら今シーズンの前山のプレーには、以前の輝きが鳴りを潜めているように感じられたからだ。開幕戦からメンバー入りし、第5節の長野戦では左SHのスタメンに名を連ねた。しかし相手に簡単に振り切られる場面もあるなど、インパクトを残せたとは言い難かった。第6節から前節まではメンバー入りもできていなかった。

8月19日の練習後、前山に現在のコンディションについて聞いた。すると「徐々に上がってきている」とし、これまでの経緯を話してくれた。今シーズン立ち上げ当初のキャンプの頃から筋肉系のトラブルに見舞われ、プレーできないほどではなかったが、頭のどこかで引っかかっている状況が続いていた。それがごく最近、ようやく気にならなくなってきたのだという。

「チームに求められるスプリントができなかったり、スプリントしても気になってスピードが出せなかったり。いままで自分が思ってることと、自分の体が合っていない部分があった。そこが徐々に合ってきたので、これからもっと自分の良さを出していけるシーンが多くなると思います。チームのために走りたい」と葛藤の日々を振り返りつつ、前を向く。

前山の良さは、他チームによる「秋田対策」に大いに有効だ。ディフェンスラインの裏を狙ってロングボールを前線に送り相手を背走させる秋田に対し、深く引いて守備をするチームが増えた。人数が揃った相手を崩す局面で、敵と味方の動きを見て狭いスペースを巧みに使う前山の良さが活きるはずだ。

一方で前山は、開幕から結果を出してきた裏を狙う攻撃について「絶対にブレずに続けていかなければいけない」と断言する。なぜなら裏を狙う攻撃が鋭いからこそ、相手が引くようになったからだ。対策されたからといって自分たちの強みを見失ってはならない。「攻撃の選択肢を用意して相手が迷うようになれば、裏への攻撃がもっと強烈になる。齋藤(恵太)選手や中村(亮太)選手のスピードも活かせる」と前山は力を込める。

前節は結果が出なかったが、前山はこれからの戦いに向けて自分がやるべきプレーを見せた。その点では得たものもあった。今節に向け、チームはプレーの精度向上やイメージ共有のために練習を積み重ねる。その中で、前山の存在感も増していく。


文:竹内松裕(秋田担当)


明治安田生命J3リーグ 第11節
8月22日(土)18:00KO ソユスタ
ブラウブリッツ秋田 vs ガンバ大阪U−23
ソユースタジアム(ブラウブリッツ秋田)
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