【秋田 vs 鹿児島】GK田中雄大、シュートストップとコーチングでチームを支える

2020年9月21日(月)


GKのシュートストップが結果を左右する試合があるとすれば、秋田にとって第15節の今治戦はそのひとつに挙げられる。

GK田中雄大の見せ場となったのは27分。相手がセカンドボールを拾ってロングカウンターを発動。センターサークル付近でパスをつながれ、相手FWはフリーの状態でPA内に侵入しようとしていた。

田中は「ピンチになっても自分が守ればいい。常にそういうスタンスでいる」と冷静さを保ち、周囲の状況を把握。1対1になろうとする直前の相手FWの動作もしっかりと見た上で駆け引きをして、いいポジショニングでシュートを弾いてみせた。

堅守の今治に先制を許していれば展開は大きく変わっていた可能性がある。このプレー後の34分に千田海人の先制点が生まれたことを踏まえても、田中のセーブを抜きにしては語れない試合だった。

こうしたシュートストップは田中の大きな武器であり、吉田謙監督が最優先で求めているものでもある。そして田中には、もうひとつこだわっているものがある。それはコーチングだ。

GKは声を出して味方を適切に動かすことで、相手のシュートを未然に防ごうとする。それができれば失点のリスクが減り、チームは勝利に近づく。それでは味方を適切に動かすにはどうすればいいのか。ここで田中は声を掛ける選手の性格やプレースタイル、タイミングを見て変化させているという。

「考え込むような選手にガーッと言っても響かない。反動で怒りが返ってきてチームの雰囲気が悪くなったり、こちらの声で萎縮してしまうので、そういう選手には優しく声を掛けます。逆にミスを気にしない明るい選手には、引き締める意味も込めて強めに言って、スキを与えないようにする。いろんなものを持っています」

コーチングの内容が正しかったとしても、相手に確実に伝わらなければ意味がない。だからこそ話す相手とそのタイミングを読む。もちろん日々の練習からコミュニケーションを取り、信頼関係の構築も怠らない。

こうした心がけは、青森山田高校時代の経験がベースになっている。「僕は高校生のとき、ずっと高いボルテージで声を出していたんです。でもそれでアップアップになる選手もいた。チームもその選手も助けたいから言っているのに、自分が悪影響を与えていた」

このことを当時の田中に気づかせたのはサッカーに詳しくない母親の「なんでそんなにガミガミ言うの?」という言葉であり、声の大切さを痛感したのは高校時代の恩師の「ビッグプレーにつながらなくても、GKの声がチームを救うシーンはいくらでもある。それくらい声が大事なんだ」という言葉だった。それ以来田中は、シュートストップとコーチングを強みにするべく試行錯誤して現在に至っている。

田中の言葉を聞いていると、謙虚な姿勢が伝わってくる。田中のプレーが15試合を終えて失点4という驚異的な数字の大きな要因になっているのは間違いない。だが目指しているのは目の前の1試合を積み重ねた先にある、より大きな成果だからこそなのだろう。


文:竹内松裕(秋田担当)


明治安田生命J3リーグ 第17節
9月22日(火)15:00KO ソユスタ
ブラウブリッツ秋田 vs 鹿児島ユナイテッドFC
ソユースタジアム(ブラウブリッツ秋田)
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